シーリング

 ロータリーエンジンの技術の中で最も重要なものがガスシールで、その技術の進化がロータリーエンジンの性能向上に大きく貢献してきた。

アペックスシール
 ロータリーエンジンの実用化開発の初期の段階では、アペックスシールがローターハウジング内壁にチャターマーク(傷)を付けてガス漏れを生じる問題の解決が、開発の出発点となった。
 アペックスシールは遠心力と作動圧を受け、ローターハウジングの内壁に押さえ付ける力が働きながら高速で移動する為、シール機能を確保する為には柔軟性の確保と、軽量化及び耐摩耗性の向上が主な開発課題であった。
 実用化初期段階ではカーボン材で対応してきたが、その後金属3mm幅サイドカット2分割、金属2mm幅サイドカット&上下3分割と進化を遂げ、最新のロータリーエンジンでは軽量化のため金属2mm幅2分割とさらに進化を遂げている。

サードシール
 サイドシールは初期は2重シールであったが、単一シールへと進化し、最新のロータリーエンジンではキーストーンタイプとなってさらにシール性能を向上させている。

オイル供給
高速で移動するアペックスシールの潤滑性能を確保する為には適正な量のオイル供給が必要であるが、初期のロータリーエンジンは2ストロークエンジンのように専用のオイルポンプでオイルをキャブレターフロート部に供給し、燃料と共に燃焼室内へ供給する混合給油方式で潤滑する方法を取っていた。そのため、オイル消費も激しく性能を維持する為には通常のレシプロエンジン以上にオイルの管理に気を配る必要があった。
その後、吸気管にオイルを供給する分離型ポート給油方式へと進化し、さらに直接ガスシール摺動部に給油するダイレクト給油方式へ進化した。
 オイルポンプも機械制御式から電子制御式へ進化し、これらオイル供給系(潤滑系)の一連の進化によって最新のロータリーエンジンでは初期のころのロータリーエンジンのオイル消費の10分の1以下のオイル消費となり、レシプロエンジンと遜色ないレベルまで改善されている。