高出力化と高回転化

 ロータリーエンジンは、4サイクル機関の吸気・圧縮・膨張・排気の4工程をローターが1回転する間に行い、同時にエキセントリックシャフトが3回転する仕組みになっている。4サイクルのレシプロエンジンで同じ4工程を行った場合、クランクシャフトは2回転となるため、ロータリーエンジンはレシプロエンジンに比べ各工程にかかる時間が1.5倍長いことが解る。
この機構上の特徴から、吸排気工程の期間も1.5倍長く取れるため、高回転領域におけるガス交換に時間がかけられ、4サイクルレシプロエンジンよりも高回転・高出力に適した素性を持っている。

ただし高回転化に伴い
(1)エキセントリックシャフトのたわみ
(2)アペックスシールの軽量化
(3)高回転域での吸入空気の充填効率の確保
が主要な課題となる。

(1)に関しては主にローターの軽量うす肉化にて対応
(2)に関してはガスシールを参照
(3)に関しては以下の対応を行ってきた。
 初期型のロータリーエンジンでは、高精度な4バレルキャブレターの採用によって通気抵抗を低減し、1981年には世界初となる可変吸気タイミング機構の6PIを開発、EGI化以降はロータリーエンジン独特の吸気脈動を用いた動的過給技術を開発し、以降のロータリーエンジン全てに展開した。6PIと動的過給技術をベースに、最新のロータリーエンジン”RENESIS”では5段階でステージを切り替えるダイナミックシーケンシャル吸気システムへ進化し、低回転域から9000rpmと言う超高回転域まで、幅広い回転領域で充填効率を高めている。
 1982年に採用したターボ過給もシーケンシャルツインターボの開発により、ターボラグの低減と高回転・高出力の両立を図っている。